塩湖により一躍観光地として名を馳せたウユニ。それ以外の部分でもとにかく平坦な大地が広がります。我らが乗ってきた鉄道もこの通り。線路が遠近法の先っちょ、すなわち消失点まで見事に伸びております。
よく見るとなんだか線路が砂に埋もれそうなところもちらほら。ここらへんがボリビアクオリティとでも言いましょうか。そりゃ列車が縦揺れもするわけです。
ウユニにもかつて資源の輸出で潤っていた時代があったそうで、現役線路の脇には鉄道の墓場と言われるスポットが。レトロな列車が古い線路ごと大量に廃棄されています。列車の重みで線路は沈み込んでいますし、赤さびと落書きでまさに廃墟といった風情。周りの景色が爽やかすぎるため、妙なミスマッチがいい味を醸し出しています。
とにかくだだっ広いという印象のウユニ塩湖ですが、その面積たるや、なんと長野県に匹敵するレベル。名古屋市など軽く飲み込まれてしまいます。名古屋から大阪まで真っ白な平原が続く程の大きさなので、そりゃ白い地平線も見えますな。
ひたすら平面が広がるウユニ塩湖ですが、何故か中心には唐突に盛り上がっている部分があります。案内図の点線で示された部分がそれ。インカワシ島と呼ばれています。
真っ白な塩原の中にただ一つポツンとあらわれるのがインカワシ島。周りは海ではなくて大地なので、地学的には山といった方が正しいのかもしれませんが、景色はまさに島の様相。どう見ても海岸のような風景ですが、白いのはもちろん全部が塩。
島はサボテンでいっぱい。手塚治虫先生の描く他の惑星を思わせる風景です。ムーピーとか住んでそう。
ちなみに2体が乗っているのはサボテン製ゴミ箱。ここのサボテンは枯れると中空の丸太になるようです。メッシュもついて軽量かつオシャレだし。やたら使い勝手のいい木材であります。
高いものがあると登りたくなる我ら。しかしさすがにこれは無謀だったようです。ここのサボテンの棘はハリネズミの針ぐらい硬くて痛い。ちくちくちくり!
島の頂上は、真っ白な地平線が360°見渡せる大パノラマ!景色の見事さもさることながら、真っ白な平原の中にここだけぽつりと存在してるのは、どうにも不思議な感じです。
南米は奇妙な地形がいっぱいで、地学的な知識があればもっと楽しめそうですね。ホステルでさすらいの地学者とかに出会ったりしないかな。
ウユニ塩湖鏡張り編に続く。