白亜の霊廟タージ・マハル

ゴアの次にやってきたのはインドの首都デリー。あれ??インドの首都ってニューデリーって習ったはず。どうやら都市の名前はデリーで、政府のある行政区のことをニューデリーと呼ぶようです。地元の人は街の名前を言うときはデリーと言っているみたいですね。

さて、デリーにカジノはありませんが、ここへやって来たからにはかの有名なタージ・マハルを見に行かねばなるまいよ!朝早く起床して6時前にやってきたのはニューデリー駅。

ニューデリーからタージ・マハルがあるアグラへは約200km。観光客がよく使う特急列車で約2時間の移動となります。運賃は朝食付きで515ルピー(約900円)。さすがインド価格、安いですね。

駅内はなかなかのカオス。駅舎でもホームでもそこかしこで人が倒れて寝ています。ゴアに比べてデリーの朝は寒いのに大丈夫なのかと心配になってしまいます。列車内はどうなることやらと思いましたが、ハイクラスな車両なだけあって、客層は観光客や余裕のあるインド人で落ち着いた雰囲気です。

見た目はぼろっちい電車ですが、ボリビアのように縦揺れすることも無く乗り心地は悪くありませんでした。お、窓の外には牛と象が見えますよ!インドらしいですね。

インドはこの時期、10m先が見えない程の霧が午前中に発生します。そのため2時間の予定が3時間かけて無事アグラ駅に到着。うーん、タージ・マハルは無事見えるかしら??駅舎を出ると もの凄い人々の声が聞こえてきます。何事かと思いきや、なんとオートリキシャの運転手が必死に客引きをしていて、まさに奪い合い。観光客を捕まえて、その日の仕事を得ようと頑張っている熱気が伝わってきます。

オートリキシャの駐車場からタージマハル南門へ向かう途中には土産物屋が並んでいて、ここでも熱心に客引きをしてきます。

チョットヨッテイッテ、マタ アトデ?カナラズダヨ。

観光客には日本人も多いため片言ながらも結構日本語で話してきます。インド少年にニヤニヤしながらしつこくチョットチョット、アトデネとしつこく言われるとイラットスルヨ。

タージ・マハルに訪れるのは外国人ばかりではありません。それ以上にインド人がいっぱいいます。こちらは女子大学生の団体のようですね。

チケット売り場に到着すると外国人は750ルピーと書かれています。ふむ、これまたなかなかのお値段ですね。対してインド人は20ルピー。その差なんと38倍!スリランカのシーギリヤロックでもそうでしたが、外国人と現地人の入場料があまりに乖離していて驚くこともしばしばあります。バックパッカーの間では結構不満に思っている人もいるようですね。でも、趣味の観光のために時間とお金を使って海外まで来る余裕がある我々と現地人の生活を比べれば致し方ないことなのですかね。余裕ある人がより多くのお金を払い、文化を守り発展させていけば良いのです。

園内にいるのは観光客だけでは無いようです。タージマハルに向かって歩いていると地面をササーっと駆けていく動物がいます。トカゲかな?と思ったらなんとリスでした。よく見ると芝生から木の上までたくさんいて、ピョコピョコと駆けまわる可愛い姿をいたるところで目撃することができます。フェンスの上で毛繕いするリスも。リスさん、柵の上に座っちゃダメみたいですよ!

タージマハルはインドの人気観光地で、大切にされているだけあって入場時の荷物検査も厳しいです。食べ物飲み物は即没収、バックパックの中の小さいポケットまで入念に確認されます。我らのぬいぐるみは果たして持ち込みオーケーなのでしょうか!?

心配しましたが、aileenザウルスのぷっくりとしたお腹をしっかりフニフニされて入念にチェックを受けたあと、無事にゲートを通過させて貰えました。よかったよかった。と思いきや、警備員さんが真剣な眼差しで訴えてきます。ぬいぐるみを持って入るのはいいけど、ぬいぐるみと撮影はしないで欲しい。これは男の約束だぜ。とfirepoicatと握手まで交わして約束をさせられています。うーむ、残念ではありますが致し方ありません。風景だけの写真で我慢しましょう。

赤砂岩で出来た大楼門を抜けると、ついにタージ・マハルが見えてきました!まずはなんといってもその光り輝く美しさに目を奪われます。総大理石で出来たその姿は、お城としか思えないその壮大さ。しかも、大理石の中でも白いものだけを選んで使用しているという豪華極まりない造りなのです。

いろいろ旅をして観光地を巡っていると、あー、写真で見たことあるやつだ、と思うことが結構ありますが、ここタージ・マハルは写真では感じることができない壮大さと輝きを放っていました。とても一人の王女のためだけに作られたお墓とは思えません。

建物の外側や内側には細かな象嵌細工が施されています。はめ込まれているのはインドだけでなく遠くは中国やロシアから取り寄せられた翡翠や水晶、ラピスラズリなど全28種類もの貴石・宝玉が散りばめられているのです。はー、なんと贅沢なことでしょう。そして、現在のインドでの信仰宗教はヒンドゥー教ですが、タージ・マハルが建設されたムガル帝国時代はイスラム教。そのため周囲にはカリグラフィでコーランの一句が書かれています。

もっと近づいてみると、天井には複雑な幾何学模様が描かれています。星などの模様があるところを見ると宇宙を表しているのでしょうかね?とにかくいたるところに凝った細工が施されて、その技術の高さに驚かされます。さすが腕利きの職人をペルシャやアラブ、遠くはフランスやイタリアからも集められただけあります。

シャージャ・ハーン王により、真っ白な大理石だけで建設されたタージ・マハル。さて、ではその時の残りの大理石はどうなったのでしょうか?実はハーン王にはさらなる壮大な計画がありました。そう、ヤムナー川を挟んだ対岸に自身の霊廟を黒大理石を使って造営することです。

しかし、いかに栄華を誇ったムガル帝国といえど、タージ・マハル建造の散財により豊富だった国庫も底を尽きかけます。そして後継者である息子との争いに敗れ、その夢を叶えることなくアグラ城塞に幽閉されてしまうのでした。こちらがそのアグラ城塞。まさに砦といった感じで頑丈そうな佇まいです。

シャージャ・ハーンはアグラ城塞に幽閉されたまま、その生涯を閉じることになります。小窓から彼自身が建設したタージマハルを眺めて、亡き愛妃を思って悲しみに暮れながら日々を送っていたのでしょうか。霧に霞んだタージ・マハルが余計にもの悲しさを誘ってきます。

それにしても、タージ・マハルやアグラ城塞にはゴミが一つも落ちておらず、インドとは思えない綺麗さでした。インド人も綺麗にしようと思えばできるではないか!なぜ普通の生活でそれが出来ないのだと思いましたが、それだけインド人にとってもタージ・マハルという場所は特別で大切な場所だということなのでしょうね。

aileenの骨付き肉はインドのリスにも人気

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