天空一面に輝くカーテン

カルガリーから飛行機に3時間ほど乗って、世界有数のオーロラ観測地イエローナイフへとやってきました。日本ではそろそろ桜が開花するころですが、こちらはまだまだ雪が積もっていて一面真っ白です。

湖も完全に凍っていて、天然のスケートトラックが作れるほどの冷え込み。我ら二人はUGGムートンブーツを装着しているので足先暖かですが、イエローナイフの寒さを舐めていたてるとろーるは、足先が痛くてヘバっている様です。もう歩くのムリぽ。

実際の気温を確認すると、温度計は-7℃となっていますね。最大で-40℃となることもあるそうなのでそれと比べれば寒くないですが、外をしばらく歩いていると耳や顔が寒さでジンジンしてきて手袋をはめている指先も冷えてきます。

オーロラ鑑賞地は北欧やアイスランド、アラスカなど世界各地にあります。一口にオーロラといっても、観測確率やクオリティは場所や季節でそれぞれ。その中でもイエローナイフはオーロラベルトの真下に位置していて、3泊もすればで98%もの確率でオーロラを見ることができるのだとか。特に2,3月は晴天の日も多く日照時間も短いのでベストシーズン。世界で最も美しいといわれるオーロラが見られるそうなのです!

極寒の環境では普通の防寒具では歯が立たないため、レンタルした防寒着を着ていきます。ジャケット、パンツ、フェイスマスク、手袋にブーツの5点セット。フル装備になるとなかななかの重装備です。南極探検隊やエベレスト登山隊で使用されているだけあって普段着ている厚手ダウンとは比較にならないぐらい暖か。世界一暖かい服といっても過言ではないでしょう。

防寒着

今回のオーロラ鑑賞はイエローナイフで最大手のオーロラビレッジで3泊4日のパッケージツアーを予約しています。空港やオーロラ鑑賞地への送迎やホテルの手配、防寒着の貸出など全てが準備されていて楽ちん♪

オーロラ鑑賞の時間はもちろん夜。今日は一足早く鑑賞地に入って、バッファロー肉を食べて夜に備えるとしましょう。鑑賞地は街の中心部から車で30分ほど離れた場所。先住民族の移動式住居として利用されていたティーピーが立ち並ぶ雪の平原にあります。ティーピーの中には薪ストーブと暖かい飲み物が良いされていて、オーロラ鑑賞にはこの上なく快適な環境です。

ん?ティーピーを眺めているとなにやらお出迎えが。立派なそり犬さんがやってきましたよ。

そり犬さんがビレッジ内を案内してくれるようなのでついていくことにしましょう。犬好きなてるとろーるは歓迎されて嬉しそう。firepoicatはいつものようにねこにしか興味が無いようですね。

夕飯を済ませても暗くなるまでは時間があるので、ティーピーの目の前に広がっている湖の辺りでも散策に行きましょう。こちらの湖ももちろん上を歩けるぐらいカチコチに凍っています。む?何やらゴールが設置されていてスティックが周りに転がっています。これはカナダの国技であるアイスホッケーではありませんか!ポーカーで負けてもにこにこしていると言われる温厚なカナダ人ですが、アイスホッケーの試合ともなると熱狂してFワードを連発してしまうぐらい人気のスポーツです。

ここでは夜のオーロラ鑑賞だけでなく昼間は犬ぞり体験や寒じき体験をすることができます。犬ぞりも寒じきもこの地で暮らす先住民の大切な移動手段でした。最近は日本でも寒じきを履いて雪山を歩くスノーシューハイクが山好きの間では流行っています。足跡がない雪原やなだらかな山の中を歩きながら野生動物を観察したりするのは楽しそうですね。

寒じき

そうこうしている内に辺りは暗くなってきました。ティーピー内の明かりが灯されて暗闇の中で暖かな光を放って浮かび上がります。幻想的な景色です。この上にオーロラが出現したらどれだけ絵になることか!想像しただけでワクワクしてきます♪

いよいよオーロラが見れると期待に胸を膨らませますが・・・あたりは曇り。オーロラは上空100kmもの場所で発生するため、雲が掛かっていると当然見えないのです。ティーピー内で暖をとったり、外にでて空の状態を確認するのを繰り返しながら過ごしますが、なかなか晴れてきません。厚く覆われた雲の隙間から月明りが漏れてくるだけで、そのまま初日はオーロラは鑑賞できませんでした。残念。

その後も天気に恵まれず、当初予定していた3日間のうちオーロラを鑑賞できたのは1日でしかも数分間のみ。光り輝くオーロラを見れると期待していた三人はなんだか不完全燃焼。せっかくここまで足を運んだのです。空一面に広がったオーロラを見るまでは帰るわけにはいきません。何せ我ら旅人は時間とスケジュールから解き放たれている自由の身。ということで予定を変更して、イエローナイフに延泊してしまおうではないですか!

オーロラに出会えるかどうかはまさにギャンブル。とはいえ、出来ることはやっておきましょう。明日こそ素晴らしいオーロラを見れるように、生贄としててるとろーるを火あぶりです。

火あぶり

翌日、起床すると空は雲一つない快晴。太陽がまぶしく光り輝きます。このまま晴れていてくれれば今晩は期待できそうですよ!ビレッジに到着すると煌々と輝く月と一面に瞬く星空が出迎えてくれます。ティーピーで暖を取りながらも夜空の様子を伺っていると、一筋のモヤっとした煙のようなものが真上に見えてきたではありませんか。とうとうやってきましたね!

しばらくみているとそれがみるみる成長し、龍のようにうねうねと動き始めました!(なおオーロラの写真は我々の技術では綺麗に撮影できないためプロにお任せしたものです。)

ぐんぐん激しさを増すオーロラに見とれていると、背後から誰かの”breakup!”と叫ぶ声。そしてその声に応えるかのように、オーロラの動きも最高潮に。そこには夜空一面に、生きているかのように動きながら光り輝くカーテンが!まさにオーロラの爆発、ブレイクアップです!おぉぉぉ!!これぞ我々が見たかったものですよ!これのためにこの時期を狙ってイエローナイフまでやってきたのです♪

オーロラ大

もう三人で大興奮!まわりからも喜びと感嘆の声が広がります。ギャンブラーが三人も集まればこれぐらいの引きは当然よ。ふっふっふ。延泊して大正解!!宇宙の美しき力と神秘をこの目で感じることができました。

ブレイクアップにまで達するオーロラはやはり別格の美しさ。オーロラを見たい方は、是非日程に余裕をもって行くことをお勧めします。

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