芸術の都ウィーン

アイルランドの次にやってきたのは芸術の国オーストリアの首都ウィーン。モーツァルト、ヨハンシュトラウスを始め数々の名作曲家を産んだ音楽の都として有名です。そんなこともあり、電車内では楽器のケースを持った若者が目につきます。海外からも沢山の留学生が音楽や芸術を学びにきているのでしょうね。

本日はイギリス、アイルランドとは打って変わって快晴♪ ハプスブルク家のもとヨーロッパの中心として栄えたオーストリア帝国の名残が残る旧市街へと観光に行きましょう!

ここは街自体が世界遺産に登録されているだけあってどこを見てもとってもきれい。まずやってきたのは中心地にあるシュテファン大聖堂。107メートルもの塔がそびえるゴシック様式の教会です。屋根瓦で描かれた綺麗なモザイク模様の屋根が目を引きます。澄んだ青空に黄色と青のモザイク屋根が映えますね!

大聖堂

旧市街の街並みは第二次世界大戦でダメージを受けたそうですが、今は綺麗に修復されていて中世当時の空気を感じることができます。観光用の馬車が走る大通りや曲がりくねった石畳の小道は当時の世界に迷い込んだような感じで、ブラブラと散策しているだけでも楽しいです。

大聖堂から旧市街を抜けていくと立派な銅像が見えてきました。一番上に威風堂々と座るのは、かつてオーストリアの女帝として君臨したマリア・テレジア。フランス革命で犠牲となった王妃マリーアントワネットの母親という方がピンと来る人は多いかもしれませんね。彼女を挟むように建っているのがウィーン自然史博物館と美術史美術館です。

マリアテレジア

美術館に展示されているのはハプスブルク家の歴代君主による収集品。ここがかなりすごい。これまでの世界旅でたくさんの美術館を訪れましたが、ここはその中でも一番豪華だといっても過言ではありません。

入るとまず頭上にそびえるドーム天井と装飾の豪華さに圧倒されます。正面にある中央階段を登っていくとウィーン出身の画家クリムトの壁画が。何だか私が知っているクリムトのテイストとは違うような・・・と思っていたら有名な作品が描かれた1900年代の黄金期から10年前で、まだ若かったクリムトが独自のスタイルを確立する様子が伺える作品だったようです。

作品が展示されている各部屋にはソファが用意されていて、座りながらゆったりと鑑賞することができるのもこの美術館の魅力の一つです。おかげでラファエロの「草原の聖母」を心ゆくまで鑑賞することができました。

ヨーロッパ絵画をたっぷりと鑑賞したあとは再び市街散策です。立派な塔が見えてきたので、再び大聖堂?!と思ったらなんと市庁舎ですって!

市庁舎

ウィーンではそこかしこに立派に装飾された荘厳な建造物があふれていて、右を見てはこれは何?左を向けばあれは何だ?という状態でした。どの建物も綺麗に保存されているなと感心していたら、やはり定期的に修復されているようで時々、修復保全のための足場が組まれていました。美しい街並みを維持し続けるというのは大変なことでしょうね。

そんなことを思っていたらこれまた立派な古代ギリシャ神殿を思わせる建物が見えてきました。こちらは国会議事堂。前には黄金の防具で身を固めた女神アテナ像が立っていて、周りにはオーストリアハンガリー帝国の寓話にまつわる彫像をはじめ、100以上もの美しい彫像で飾られています。

国会議事堂

せっかくの音楽の都ウィーンということで、観光初日の締めはオペラ鑑賞にチャレンジといきましょう!とはいえ我々素人にもオペラを見る資格はあるのでしょうか?ドイツ語は分からないし、ドレスコードは大丈夫かな?チケットも高そうだし・・・。不安に思いながらチケットセンターに行ってみると、なんと3ユーロの当日券なるものがあるようです。

ここウィーン国立オペラ座では、オペラ体験コースのような位置付けで5階の3列目に立見席を用意してくれているのです。一般席は一番安いものでも100ユーロ前後しますのでこれは破格のお値段。

オペラはちょっと敷居が高そうだなあ、としり込みしていた我らもこれなら気軽に覗いてみることができます。さすが芸術の都では初心者にも嬉しい計らいを用意してくれていますね。というわけでやってきましたウィーン国立オペラ座!

オペラ座

中に入るとドレスアップした人々がシャンパン片手に談笑している姿が目に入ります。これぞまさにオペラ鑑賞で思い描く光景そのもの。中高年だけでなく、若い世代も多くみられてオペラ鑑賞が親しまれているようです。立見席コーナーは舞台近くの左右に設けられていて、オーケストラが良く見えます。

オペラ座内部

オペラ自体はドイツ語のようで言っていることはさっぱり分かりませんが、生でのオペラ歌手の声量を肌で感じることができました。次に来るときは演目の事前勉強をして良い席でゆったり鑑賞したみたいものです。

ウィーン滞在中は天気に恵まれ、翌日も観光日和♪ ベートーベンが暮らしていたというウィーン郊外のハイリゲンシュタット地区へと参ります。案内版に従って歩いていくと、ベートーベンハウスと書かれた建物が見えてきました。これがベートーベンが数々の名曲を産み出した場所なのね、と思いをはせていると別の場所を指し示すベートーベンハウスの看板が目に入ります。行ってみると、ここにもベートーベンハウスの文字が。よく見るとその道の先にもまたもやベートーベンハウス。どういうこと??

ベートーベンハウス

不思議に思って調べてみると、ベートーベンは人生で79回もの引っ越しをした引っ越し魔で、耳の療養で訪れていたハイリゲンシュタットだけで何か所も住居を構えていたのです。しかし、作曲家にとって耳が聞こえなくなるというのは死にも等しい中、音楽家としての人生を続けて名曲を生み出したのは天才であると共に大変な努力家であること想像できますね。

ハイリゲンシュタット地区のもう一つの見どころは酒場街。この辺りはワイン造りが盛んで、周辺のブドウ畑からとれたワインを飲むことができるのです。特に有名なのが、新酒の白ワイン、ホイリゲ。ボジョレーヌーボーの白ワイン版です。ホイリゲはワイングラスではなく小さ目のジョッキで出されるのですが、口当たりが軽くビールのようにぐびぐびと飲んでしまいそうです。暖かい日差しの中、歩き疲れた体に染み渡る~!!アルコールを受け付けないテルトロールははしゃぐ二人を横目にミネラルウォーターをごっきゅごっきゅと冷めた目で飲み干していきます。

ホイリゲ

ほろ酔いで気分も良くなってきたところで、シェーンブルン宮殿へと向かいましょう。この宮殿はハプスブルク家がフランスのベルサイユ宮殿を凌駕せんとして建設した夏の離宮です。両翼の端から端まで180mあり、6歳のモーツァルトが御前演奏した鏡の間などの贅をつくした部屋が全部で1441室もあるのです。ちょうど結婚写真を撮影しているカップルもいましたが絵になりますね。

シェーブルン宮殿

今晩はその宮殿内のオランジェリー広間でクラシックコンサートです。ウィーン出身の超有名どころモーツァルトとシュトラウスの名曲を中心にオペラのアリアやデュエット、ダンスが披露されます。本格的なコンサートではなく、観光客や地元の人がちょっと気軽に聞きに来るといったフランクな雰囲気のコンサートですが、それでもプロの軽やかさや優雅さには感嘆するばかりでした。ラストの曲はウィーン・フィル ニューイヤー・コンサートでアンコール最後の曲としても有名なラデツキー行進曲で観客全員で指揮者の指示に合わせて手拍子するのは会場が一体となったようで楽しい思い出です。

どこも美しく、豪華な装飾がされていて絵になる街をゆったりとドナウ川が流れるウィーンは都会的な雑踏や時間に追われる感じがなく、心落ち着く優雅さがあります。このような環境だからこそ素晴らしい芸術と文化が育まれたのでしょうね。数日滞在しただけですが、なんだか自分の芸術文化レベルが上がったような気がします。

ウィーンの青信号はお手てつないでハート♡

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信号

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