次にやってきたのはキプロス。地中海の東側、トルコの南に位置する島国です。ここにはカジノがありポーカーも出来ると聞いていたのでやって来てみました。キプロスは地中海性の暖かい気候で、ヨーロッパ人にとってはリゾートとして人気な国らしい。さんさんと太陽が降り注ぐ南国の写真をペタリ・・・のつもりだったのですが。
なんとaileenがiphoneを水没させてしまい写真がパァになってしまったのです!おドジ。
というわけで、今回の写真はfirepoicatが撮っていたわずかな分しかありません。iphone6sに買い替えるいい機会だとでも思いましょう。
さて、キプロスにカジノがあるのは確かなのですが、気になることが一つ。カジノは全て、未承認国家地区にあるらしいのです。
キプロスは1974年のキプロス紛争によってギリシャ系の南側とトルコ系の北側に分けられ、いわゆる分断国家となっています。その境界であるグリーンラインは、国連平和維持軍の兵士が常時監視していて、行き来をするにもパスポートを求められます。
南キプロスは独立国家としてEUにも加盟しているのですが、北キプロスの独立を承認しているのはトルコのみ。日本を含む世界の国々は北キプロスを独立国家として承認していません。北キプロスへの飛行機直行便もトルコ便のみ。なんだか北朝鮮を連想させますが、背景にはそれぞれの複雑な政治事情があるはずですから、安易に同じようには考えない方がいいのでしょうね。
僕らが到着した南キプロスの側にはカジノはありません。2015年8月にとうとう初のカジノライセンスが降りたそうですが、現状では北キプロスに行くしかないわけです。なんだか少し不安な気持ちもありますが、ポーカーをプレイするためならびびってるわけにはいきません。いざ、未承認国家に乗り込んでやるとしましょう。
宿泊するのは首都レフコシア。キプロスでは最も大きな街で、ちょっと都会な南国リゾート風。住んでいるのはほとんどがギリシャ系なこともあり、アテネやエーゲ海と似たような雰囲気です。実はこの街のど真ん中にも、まさにグリーンラインが。かつてはベルリンがそうだったように、首都の街も南北に分断されているのです。「世界が認めない分断国家」の首都は、世界でも珍しい分断首都でもあるのでした。
こちらはレフコシア内の16世紀の城壁。
ちなみにキプロスの発音は英語だとサイプラスとなるのですが、最近は現地のギリシャ語の読み方に従ってキプロスと呼ぶことが多くなっているそうな。首都レフコシアの英語名はニコシア。ガイドマップの街の名前も現地名と英語名が併記されていることが多いので、本ブログでは現地名で統一したいと思います。
今回は写真が少ないので、ボツにする予定だった自由の記念像も賑やかしに貼っておきましょう。
さて、いよいよ北キプロスに向かうとしましょうか。まずは北レフコシアのカジノを目指すことに。てけてけ街中を歩いて北上していくと、すぐにクロスポイントに遭遇。パスポートを見せればそのまますぐに通してくれます。クロスポイントは24時間開いていて、特に軍事的な緊張感などもありません。
北キプロスに入り若干びくびくしながらカジノに向かって歩いていくものの、街は平穏です。そんなに南キプロスやギリシャと変わるわけでは無いようですね。ほとんどがトルコ系と聞いていましたが、トルコよりもヨーロッパの雰囲気の方が強い印象です。
いくつかのカジノを巡った後、ようやくポーカールームのあるカジノに遭遇。Meritカジノ。かつては近くのGolden Tulipにもポーカールームがあったそうですが、一年前にクローズしたとのこと。レフコシア内ではここが唯一の公式ポーカールームのようです。
南キプロスの通貨はユーロですが、北キプロスはトルコリラ。とはいえ、ユーロとUSドルもほとんどの店で使えます。そしてカジノは何故かUSドル。なんとビットコインも使えるらしい。
ポーカーテーブルはそこそこ賑わっていて、USD5-5のテーブルは全員300bb以上のディープスタック。ほとんどの人が西欧系の顔で、多くのプレイヤーは南キプロスからやってきているようですね。
次の日は、キプロス島の北岸、カジノリゾートの街であるギルネへ。ちょっと遠いところにありますし、カジノをたくさん巡ってみたいのでレンタカーで行くことにしました。レフコシア内のクロスポイントは2ヵ所あり、こちらは車用。レンタカー用の保険20€/3日さえ入っておけば、パスポートを見せるだけで車から降りることもなく通過できます。
ギルネにはカジノがいっぱい。その中でポーカー最大手は、レフコシアにあったのと同系列のMeritカジノ。これが現在キプロスのポーカーシーンを牽引しているようです。キャッシュゲームはなんとUSD5-10から。ギルネはカジノリゾートなだけあって、レフコシアと比べると観光客の割合が若干増える印象でしょうか。
また、この日もデイリートーナメントをやっていましたし、定期的に大きなイベントも開催されるようです。
ポーカーレベルは、正直ちょっと判断が難しいところです。プリフロップのハンドセレクションはかなり酷いのですが、フロップ以降は適度にブラフも混じったアグレッションで、決して下手ではないらしい。上手だとは言いませんが。典型的な鉄火場叩き上げのおっさん達ですね。平均的日本人と真逆のタイプです。
同卓したおじさんに聞いたところ、キプロス内でポーカーをプレイできるところは20ヵ所以上あるとか。おそらく非公式なルームも含まれてはいるでしょうが、それなりに流行っているよう。レーキがno maxなのと、どこも喫煙可なのが残念なところですが、ポーカー環境としては悪くありません。
未承認国家と聞いてドキドキしながら訪れた北キプロスですが、何のことはない、僕らにとっては普通の街でした。それでも国家として未承認状態というのは、観光客が数日では感じられないような根の深い課題があるということなのでしょうね。国交正常化が叶った暁には、マカオのような発展を遂げていって欲しいものです。
~ キプロスのポーカールーム事情 ~
キプロスもまたねこがいっぱい