アメリカ東海岸でのポーカー

北アメリカ大陸の西端にあるバンクーバーから飛行機に乗って4時間。一気に大陸の東端までやってきました。そうです、ここは世界一の大都市、ニューヨーク。と思いきや、空港でレンタカーを借りてすぐさまニューヨークを後にする我ら3人。ポーカー旅人にとって大都会など二の次。向かう先はもちろん、言わずと知れたカジノです。

ニューヨークから車で2時間半、見えてきたのは海沿いに立ち並ぶカジノ群。アトランティックシティです。

ここはラスベガスに次いで、アメリカで2番目にカジノを合法化した街。西のラスベガスに対し東のアトランティックシティ。カジノで溢れるリゾート地なのです。

砂漠の中に立つラスベガスとは違い、海沿いに位置するアトランティックシティ。桟橋に吹く風が気持ちいいロケーションです。

アメリカでも第二の規模を誇るカジノ都市ですが、最近では凋落気味という話も。隣接する州でもカジノが解禁されてきており、売り上げが減少気味だとか。使われなくなって寂れた駐車場には哀愁が漂っていますが、それでもまだまだカジノは人で賑わっています。

ポーカールームのあるカジノはいくつかありますが、その筆頭はボルガータ(Borgata)。非常に大きなルームで、毎日50卓以上のキャッシュゲームが行われています。右手に見える紫のビルがそれ。

ロサンゼルスのコマースにプレイヤー数の規模こそ敵いませんが、テーブル数、広さ、設備の豪華さ、ステークスなどを総合的にみると、単体のポーカールームとしてはボルガータは世界で一番立派なのではないでしょうか。ちなみにプレイレベルは、いたって並。参加率もアグレッションも、全てが全米スタンダードといった印象です。

さて、アトランティックシティの後に向かうのは、フォックスウッズカジノ。ニューヨークを中心に、ちょうどアトランティックシティの反対の位置にあります。レンタカーでフリーウェイを突き進み、ニューヨークからボストン方面へ向かうこと3時間。森の中に佇む巨大カジノ、フォックスウッズです。

アメリカのカジノライセンスのシステムは複雑で、経営権を握っているのはほとんどがネイティブアメリカン。このフォックスウッズのオーナーはPequot一族らしく、そこら中にそれらしい銅像や彫刻が飾ってあります。

2年前にMIYUKI氏とここを訪れた時には100卓近いキャッシュゲームが立っていたのですが、今回は50卓程度。季節的なものもあるかもしれませんが、少々人が減ってしまった印象です。$5-10も日によっては立たないことすらあるよう。

とはいえ、プレイの荒さは未だ健在。ステークスの割にポットはかなり大きく、クリエイティブなブラフを繰り出す猛者が見受けられるのは2年前と変わらないようです。

さてそんなポーカールームで夜も更け、$5-10を4人でプレイしていた時のこと。ある兄ちゃんAが謎な提案をぶち上げてきました。

-A  「もうポーカーなんてやらなくて良くね?$400のプリフロオールイン勝負やんない?」
-B  「おういいぜ。みんなそれでいいか?」
-C  「ええ・・・?まあ、いいけど。」
-自 「そんなら俺は辞めようかな。グッドラックガイズ。」
-A  「おっと、なら普通にポーカー続けようぜ。まあ、座りなよ」

そしてゲームが再開し、COで配られたハンドを僕はフォールド。すると兄ちゃんAがまた言い出します。

-A  「こいつは降りたから、お前らは$400勝負でいいよな?」

そして始まる$400のノールックオールイン勝負。しぶしぶ受けた兄ちゃんCが$1,200を手にします。次からのゲームは普通にプレイしていたものの、1周まわった次のCOを僕がフォールドすると、やはり同じ展開に。

-A  「今度は$500な?」

今度勝ったのは兄ちゃんB。だんだん熱くなってくる言い出しっぺの兄ちゃんA。それからずっと4ハンドに一回はノールックオールイン勝負が繰り広げられていきます。そしてついには。

-A  「ええい、$1,000だ!」

最終的には一人$1,000出しのフリップ勝負。なんなんだ一体。一人普通にプレイというか、ハンドが悪すぎてただフォールドし続ける自分。うう、つまんない。もう一言煽られたらフリップ参加してたことでしょう。

目の前のあぶく銭を奪い取ってやるべく虎視眈々と狙うものの、何も出来ないまま結局この日は兄ちゃんBが全部溶かしたところで終了。テーブルブレイクの際に一応、兄ちゃんAにヘッズアップを申し入れてみますがあっさり断られます。残念。しかしこんなめちゃくちゃな遊び方をしながらも、実はポーカー自体はそこまでヘタではない。何というか、勝負慣れ、ギャンブル慣れしてるんですね。

フォックスウッズはなかなか面白いところです。何しろここにはカジノ以外ほとんど何もありません。窓の外には一面の森が広がります。俗世から隔離されて、雑念の入らない環境で真剣にギャンブルライフを満喫することができるのです。

古き良き時代のアメリカを思わせる雰囲気がここにはあります。$100札を直接テーブルに置いて自分のスタックとして使うことができるのその一つ。このシステムを採用しているルームは少なくなりつつあり、ラスベガスでも最近のルール変更で札束プレイが認められなくなりました。中には$10,000の札束を無造作に置いているプレイヤーも。ベットがやたら大きいことも相まって、あたかも札束で殴り合うかのようなプレイを見ることができるでしょう。

この陸の孤島ではアメリカポーカールームの風物詩的な風景が保存されているかのようです。もしニューヨークを訪れる機会があれば、ぜひ鉄火場を体験しに足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

~ ニューヨーク近郊のポーカールーム情報 ~

フォックスウッズは謎のオブジェがいっぱい

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