ドキュメンタリー 五人の子猫たち 結果発表

おかげさまで好評をいただいているドキュメンタリーもいよいよ最終回。ポーカープレイヤーとしてはまだまだ挑戦の最中である彼らですが、今回の投稿をもってひとまずの区切りと致します。

約2か月間のドキュメンタリーでしたが、先行き分からない挑戦の様子を赤裸々に公開するのは、とても勇気のいることだったことでしょう。快く応じてくれた彼らに、まずは惜しみない賞賛と拍手を贈らせてもらおうと思います。

さてさて、早速気になる結果をご覧いただくとしましょう。

子猫の様子0721

濃密な2か月間ではありましたが、今回の成果も所詮は中期的なギャンブルの結果。この数字だけをもって彼らの素養を判断することなどできるはずもありません。結果の数字はどうあれ、この頑張った期間は彼らの今後の人生にきっと活きてくることでしょう。

とはいえ、せっかくリアルな数字を公開してくれているのです。ここは一つ、敢えて厳しめな視点から総評を述べさせて頂くこととしましょうか。

まず、イヤでもみんな注目するのはもちろん収支。一見すると全体としてはそれなりの好結果のようでもあります。20代前半の若さでこれだけの額を手に入れられるとなれば、そこらのアルバイトとは比べるべくも無いでしょう。グッジョブ。し かしながら、将来ある若者のキャリアとして相応しいかと問われれば、正直疑問を抱かざるを得ないレベルなのもまた確か。

特に気になるポイントは、全員プレイ時間が短すぎるところです。何しろ僕自身と比べても5人とも稼働時間が遥かに短いのですから。帰国の期間なども考えると、年間でプレイできる時間は意外と限られてくるもの。もう少し稼働を増やせるようにならないと、長期的に満足のいく結果を出すのは難しいかも知れません。

一方で、みんなバンクロールに不安がある中で、できる限り高いステークスにも積極的に挑戦してくれていたのは非常に良かったと思います。ライブキャッシュで稼げる額の皮算用は往々にして甘くなりすぎる傾向があるので、ポーカープレイヤーという市場の全体像を常に肌で感じておくのは非常に大事なこと。彼らはこれからポーカーとの向き合い方を改めてじっくり考えることになるでしょうから、目先の利益だけでなく長期的な視点を持ってキャリア選択をして欲しいものです。

ポーカープレイヤーとして生きていくなんて、よほどポーカーが好きじゃなければオススメ出来るものではありませんが、その点は彼らは大丈夫そう。それぞれに浮き沈みやドラマが満載だった2か月間でしたが、 みんなラスベガス生活は充分楽しんでいたようです。最も大切な適性については全員が自信を持って合格と言えることでしょう。

それでは、それぞれの戦いの軌跡を追ってみることと致しましょう。

”しま”

収支推移しま0721

 <総括>
安定したペースで勝ちを積み上げるも、最後の一週間で無念の後退。トーナメント挑戦費などもあり、トータルでは経費をやや上回る程度の成果に留まってしまった。とはいえ、$1-3からスタートしながら、最終的には$2-5以上でもラスベガスできっちり勝てる実感を掴めたのは大きい。70日間という長期のラスベガス滞在中でも飽きることなく、ポーカーが好きなことを再確認したようだ。

 <今後の予定>
1か月ほど日本で休養を取り、その後は再びマカオに挑戦する予定。大学休学は継続し、まずは今年一年できっちりと勝ちを積み上げてバンクロールを構築することを目論む。

”しゃむにゃむ”

収支推移しゃむにゃむ0721

 <総括>
5人の中で勝ち頭となる成績を叩き出した。稼働時間は少ないのはサボっていたワケではなく、様々な人と積極的に交流していたため。ポーカーを通じて友人もたくさんできたようだ。

なお初恋は残念ながら実らなかったらしいが、それも青春のほろ苦い1ページとして良き思い出になることだろう。大丈夫、君にはポーカーがあるさ!

 <今後の予定>
ラスベガス生活は気に入ったらしく、滞在予定を8/下旬まで延長。日本の大学には復学せず、今後もポーカープロとして活動することを決意した模様。今後の活動場所はまだ検討中だが、ラスベガスで語学学校に通いながら学生ビザで長期滞在することも視野に入れているようだ。

”スティーブ”

収支推移スティーブ0721

 <総括>
初っ端ロサンゼルスで奈落に突き落とされるような負けを喰らいながら、その後はコンスタントに勝ちを重ねる。逆境をはねのけ見事に復活を果たしたことは今後の大きな自信にも繋がることであろう。

 <今後の予定>
帰国前にロサンゼルスに1週間ほど寄ったスティーブだが、思わぬ誤算が。なんとラスベガスのカジノにUSドルの大半をデポジットしたままのことを忘れていたのだ。ということで、日本でしばらく休養を取った後は再びラスベガスへ舞い戻ることとなった模様。観光ビザでは滞在期間の制限があるからちゃんと気を付けるんですよ。

”ゆうへい”

 <総括>
ライブキャッシュは$10-20、トーナメントはWSOPメインイベントと果敢な挑戦を見せた超新星ゆうへい。最終的な成果こそ奮わない数字となってしまったが、確かな存在感を見せつけた。とうとうホンモノが現れたか、と業界からの期待も高い。

 <今後の予定>
当面しばらくは本職ともいえるオンラインキャッシュゲームに携わる予定。ただ、本格的にポーカーをキャリアとするかはまだ決めかねているようだ。至極真っ当な悩みと言えよう。有望な若者には、様々な可能性を探っていって欲しいものだ。

”ケンスケ”

収支推移ケンスケ0721

 <総括>
崖っぷちから見事な巻き返しを見せたものの、その後もなかなか浮かび上がれず苦戦が続く。あと少し、あと少しが遠い。いくら情熱があっても、厳しい勝負の世界で思うように成果を出すのはやはり簡単なことではないのか。残る滞在期間、悔いの残らないよう戦いきって欲しいものである。

 <今後の予定>
帰国後は公務員試験を受けることを考えているようだ。正反対とも言える世界であるが、どんな業界に行ったとしても今回の挑戦は血肉となってくれるであろう。

さて、前代未聞のポーカーライブキャッシュドキュメンタリー企画、いかがだったでしょうか。締めを書きながら、みなさんの率直な感想が聞こえてくるようです。そう。

結 果 が 地 味 だ な 、 お い !

誰も破産すらせず、一方で勝ち頭が2か月でたかだか$17,000程度?何のためにギャンブラーやってんだよ。つーか破産しろ!そう思った読者は一人や二人では無いはず。リアリティを旨とするドキュメンタリーではありますが、少々辛い現実にクローズアップしすぎた気がしないでもありませんね。

正直なことを言えば、ドキュメンタリー企画を思いついた時から、最後の締めの形は既にイメージが固まっていました。僕自身が5人の収支を合わせても敵わないほど大勝ちしておいて、頑張った若手をダシとしておじさんの存在感をアピールする・・・はずが!ロクに勝ててません。完全に誤算です。ちくしょう。僕はこの生活を始めてはや5年目となりますが、おじさんも日々苦悩しながらポーカーと向き合っているのは若手となんら変わらないのです。

ライブキャッシュで強くなった先には大きな夢もあります。上を見ればそれこそキリがありませんが、このWSOPの時期は一晩でミリオンダラーが動くようなステークスすら立っているのです。いくつステップを登ればそこに辿り着けるのやら・・・。

若者の挑戦する姿を間近で見せてもらい、僕自身も大いに刺激を受けることが出来ました。代わりと言ってはなんですが、僕がこれまで培ってきた経験などは、 できる限り彼らに伝えたつもりです。思い返せば僕自身がポーカープレイヤー駆け出しだった頃に、諸先輩方にはとても良くしてもらいました。その時受けた大恩を、若い世代に少しでも繋げられていればいいなと思います。

彼らとは、またどこかのカジノで相対することとなるでしょう。その時は仲間でもあり、敵でもあります。まだまだ簡単に蹴散らされてやるワケにはいきません。若い彼らに負けないよう、僕自身も成長を続けていこうと思います。これからもよろしくね!

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